サニーデイ・サービス、時代を超えた若者たちの共鳴
彼らを知ったのは、たしかミディレコードの大倉くんが「いいバンドがいるから」という誘いで、ライブを見に行ったのがきっかけだった。タワーレコードのミニライブだったと思う。90年代のあの頃は「渋谷系」が大きな話題になっていた時代。そんな中、こういう音楽を作る若者がいると言うことで驚いた記憶がある。
ミディが送ってくれた最初のアルバムの『若者たち』という曲は、僕ら60年代に育った大人にも訴えるものがあった。タイトルの『若者たち』、70年代を思い出させる歌詞、ハーモニカソロと懐かしい響きを持った曲。それらが若い人たちの共感を得ていったことは当然だろう。
その後は日比谷の野音でのイベントで見たりしたが、2000年頃、解散するという噂を聞いて残念だなあと思った。曽我部くんがソロで活動し出してからは気になっていたけど、実際にライブを見に行ったりはしていなかった。
その後に観たライブは、2009年の上野公園で、ジェシー・ハリスやPort of Notesが出たイベントや、スペースシャワー企画で、Double Famous とトクマルシューゴという僕の好きなグループたちとの共演で、見るたびに、曽我部くんはマイペースでしっかりと自分の音楽を届けているんだなあって思っていた。
2022年の7月に新宿LOFTでのギターウルフとの2マンライブ『サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!』でのサニーデイ・サービスの熱い演奏にすっかり興奮してしまい、再開するハイドパークフェスには是非出てもらいたいと声をかけてしまった。もちろん、曽我部くんはその場で快諾してくれた。
僕の中では、ハイドパークで今の彼らが歌う『若者たち』を聴いてみたいという思いがある。
1976年トムス・キャビンを設立しデビッド・グリスマン、エリック・アンダーソン、ニューグラス・リバイバル、トム・ウェイツ等を招聘し始め、現在までトーキングヘッズ、B-52’、ラウンジリザーズ、ラモーンズからダン・ヒックス、ジミーウェッブ、キャレキシコまで日本に多くのアーティストを紹介している。
また90年代からNew Music Seminar, SXSWなどの海外フェスで日本人バンドのショーケースJapan Niteをプロデュースし、多くのバンドを海外に紹介している。