「民謡クルセイダーズ」日本の若者に支持される無国籍風の民謡バンド
初めて民謡クルセイダーズを聞いたのは代官山の『晴れ豆』だったと思う。久保田真琴君が「麻田さん面白いバンドがいますよ、聴きに行きますか?」といってライブの情報をくれたので聴きにいった。メンバーが福生のハウスに住んでいると聞いて、なんとなく親近感を持った。
初めての印象は「これは外国で売れるな、でも日本ではどうかな?」と思った。なぜなら、それまで日本にあった沖縄や津軽三味線などの民謡系の音楽は、どちらかというとフージョンぽかったり全くの本物の民謡で、彼らような無国籍風の民謡は無かった。
だから、僕はちょっとラテン風だったりアフリカっぽかったりするバックの前で本格的な民謡歌手が歌うというコンセプトは(個人的には大好きになったが)、外国ではウケると思ったが日本の若い人たちに受け入れられるとは思えなかった。
ところが次に僕が見た時は、民クルの演奏の前で若い人たちがみんな楽しそうに踊っていたので驚いた。若い人達が彼らの音楽を素直に受け入れて楽しんでいたのだ。
僕の考えは全く当て外れだったのだ。今や民クルは日本でしっかりとその立ち位置を築いていた。もちろん僕が思ったように外国でも大ウケだったらしい。
この間、田中君の話を聞いたらブルースやブルーグラスを聞いていたと知って、ブルースは納得できたが、彼がブルーグラスも聞いていたとは知らなかった。
さて、これからの民クルだが、多分次のアルバムが彼らの今後を占うものになりそうだ。彼らがどんな風に変わってくるのか?またはこの路線を突き進むのか?田中君が最近どんな音楽に興味があるのか?どちらにしろしばらくは彼らから目が離せないというか耳が離せない。
民謡クルセイダーズの出演は4/30(日曜日)です。初めての方には特におすすめです。
2023/3/1 記
1976年トムス・キャビンを設立しデビッド・グリスマン、エリック・アンダーソン、ニューグラス・リバイバル、トム・ウェイツ等を招聘し始め、現在までトーキングヘッズ、B-52’、ラウンジリザーズ、ラモーンズからダン・ヒックス、ジミーウェッブ、キャレキシコまで日本に多くのアーティストを紹介している。
また90年代からNew Music Seminar, SXSWなどの海外フェスで日本人バンドのショーケースJapan Niteをプロデュースし、多くのバンドを海外に紹介している。