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ロバート・クワインやマーク・リボウも愛したシンガーソングライター、SION

SIONは僕が初めてマネージングをした日本人アーティストだ。
それまで外国人アーティストのプロモーターをやっていた僕に、音楽ビジネスは権利ビジネスだと教えてくれたのはゴダイゴ事務所の故ジョニー野村だった。一緒に働いていた日高とゴダイゴ事務所を辞めて、スマッシュを立ち上げた頃から自分がやりたいと思う日本人アーティストを探していた。

そんな時に、あるレコード会社の人がくれたテープがSIONだった。荒削りだがそんな中に光るものを見た僕は、SIONをマネージングすべくスマッシュを辞めて、自分の事務所を立ち上げる準備を始めた。事務所は細野(晴臣)君の事務所ミディアムに居候させてもらった。出版社を立ち上げ、レコード会社を探し、僕の初めてのマネージング・ビジネスとレコードプロデュースの仕事が始まった。

僕はSIONの10枚以上のアルバムをプロデュースした。新しいレコード会社でレーベルを立ち上げるまで、僕とSIONはマネージャーとアーチストという立場で仕事をした。

僕はそれまでの外タレプロモーターの経験を生かして、ラウンジ・リザーズ、マーク・リボウ、ロバート・クワインといった外国人アーチストとのコラボや、日本人バックのメンバーの選択など、かなり思い切ったことをやらせてもらった。SIONはそういう僕のアイディアに臆することなく答えてくれた。マークやロバート・クワインはSIONをすごく気に入ってくれて、彼らの演奏はSIONの曲やあの声を引き立ててくれた。

SIONは日本のSSWの中で稀有な存在だと思う。SIONはこれからも、彼の生き様を歌にしてマイペースの活動を続けていくと思う。いつかまた一緒に仕事をしたい。

それに、久しぶりに彼の歌が聴けるのが嬉しい。
THE GROOVERSの藤井一彦とのアコーステックの編成ということで楽しみだ。

SION with Kazuhiko Fujiiの出演は4/30(日曜日)です。

2023/4/5 記

SION

1960年生まれ、山口県出身。1985年に自主制作アルバム「新宿の片隅で」で衝撃的にデビュー。1986年テイチクBAIDISレーベルから「SION」でメジャーデビュー。その独特な歌声、ヴィジュアル、そして聴き手の心に深く刺さる楽曲の数々は、日本のミュージックシーンにおいて唯一無二の存在。多くのアーティストから敬愛されるミュージシャンズ・ミュージシャンであり、SIONをリスペクトしているミュージシャン、俳優、タレントには枚挙にいとまがない。長年培った充実したライブパフォーマンスには定評があり、年齢、性別を越えた幅広いファンに支持されている。



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