静かに世界に見出されたトクマルシューゴ、独特の音楽世界の魅力
トクマルくんの音楽をを初めて聴いたは2005年くらいだったと思う。
日本で殆ど無名のシンガーソングライターが海外ですごく受けてるという噂を聞いたので、音源を聞いたら「なるほどこれは海外でウケるな」と感じた。その頃彼は全ての楽器を自分で弾いて宅録をしてたと思うが、それが日本より先に外国で認められたのは、彼独特の音楽の世界があったからだろうと思う。
2007年にトムスキャビンで Calexico(キャレキシコ)ジャパン・ツアーをやった際に、アメリカでキャレキシコのオープナーをやったり一緒に音楽を作ったりしている有望なシンガーソングライターを、彼らは同行してきた。それがサミュエル・ビーム、Iron & Wine だった。キャレキシコとのツアーとは別に、Iron & Wineのレコ発イベントをやることになり、さっそくトクマル君にIron & Wineのオープナーをお願いした。
キャレキシコのジョーイたちとみんなで、トクマルシューゴのライブを観たことを覚えている。今にして思うと、現在はアメリカの最重要大物シンガーソングライターとなった Iron & Wine が O-NESTで見れたなんて信じられないけど。
2011年に「Stereogum」の「最も期待するアルバム50枚」に選ばれたり、アメリカでの人気も確実になって、2013年にトクマル君は僕がREP(担当)をしていたテキサス州オースティンのコンベンション、SXSWに出演した。それもニューヨークの音楽サイト「Brooklyn Vegan」のショーケースに出てきたので驚いた。お客の反応もすごく良くて、世界で受ける日本の音楽が出てきたと感じた。
僕が特に彼の音楽で興味を持っているのが、時々聞ける民族音楽の様な音だ。ああいう発想は今までの日本の若いミュージシャンには無かったと思う。それと最近は音だけでなく、映像も自分で作っているようだ。彼がこの先どういう音楽に興味を持ってどう変わっていくのか非常に興味がある。
蛇足になるがトクマルくんが音楽を担当した井の頭公園の映画「Parks / パークス」(主演・橋本愛、永野芽郁)に、役者として僕を推薦してくれたのはトクマル君だ。
おかげで橋本愛や永野芽郁と共演できた。
2023/4/2 記
1976年トムス・キャビンを設立しデビッド・グリスマン、エリック・アンダーソン、ニューグラス・リバイバル、トム・ウェイツ等を招聘し始め、現在までトーキングヘッズ、B-52’、ラウンジリザーズ、ラモーンズからダン・ヒックス、ジミーウェッブ、キャレキシコまで日本に多くのアーティストを紹介している。
また90年代からNew Music Seminar, SXSWなどの海外フェスで日本人バンドのショーケースJapan Niteをプロデュースし、多くのバンドを海外に紹介している。