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ハイドパークフェス復活を象徴するような素晴らしいライブペインティング!RUSOWさんインタビュー

Hydepark Music Festival では未知のアーティストとの嬉しい出会いがあります。2023年は音楽だけでなくアートで参加してくれたアーティストがいました。サブステージの横のテントで2日間、ペインティングしている彼の姿と、時間の経過とともあの二人が現れて来る彼の作品を目にした方は多いと思います。17年振りのフェスの復活を象徴するような素晴らしいライブペインティングで参加してくれた、アーティストのRUSOWさんにお話を伺いました。

まずRUSOWさんの自己紹介をお願いします。拠点は所沢ですか?

ペインター/デザイナーとして活動しているRUSOW(ルソウ)です。幼少期から20歳過ぎまでを埼玉県所沢市で過ごし、音楽喫茶MOJOをはじめ、航空公園野外ステージでの音楽イベントや、都内、各都市ででライブペイントを軸に活動していました。2011年頃に都内に拠点を移してからも地元所沢での活動経験を活かし「視覚が喜ぶ表現」をテーマに壁画制作、企業へのアートワーク提供、ライブペイント、ロゴやキャラクターデザイン、CDジャケットアートワーク制作など、その活動は多岐に渡っています。妻で同じくペインターのAyanicocoとのアートユニットSIGHTRIPとしても活動し、日本テレビ「ヒルナンデス!」やTBSテレビ「ラヴィット!」へのTV出演・作品提供も行ったりと、メディア露出も最近は増え活動の幅をさらに広げています。

- 野外フェスのライブペインティングはいかがでしたか?

これまでFUJIROCKやSUMMERSONICなど大きな野外フェスでもライブペイントを行ってきました。最近は制作依頼が多くイベントでのライブペイント出演は少なくなっていたので、久しぶりに2日間かけてじっくりライブペイントできる機会を頂けてうれしかったです。そして何よりHMFの音楽・会場の雰囲気が最高でとにかく楽しく描けました。

前回の開催が2006年だったのですが、Hydepark Music Festivalについてはご存知でしたか?

もちろん知っていました。この頃はまだ所沢住まいだったので所沢近辺の音楽フェスティバル情報は常に追いかけていて、どうにか自分も地元で開催される大きなイベントに出演したいと藻掻いてました(笑)。

HMF2023のテーマカラー黄色と茶色の2色で描いていくにつれ細野晴臣さんと小坂忠さんが現れいく過程を、フェスの時間と共に堪能しました。あのイメージはすぐに浮かんだんですか?

そうですね。光栄にも今回出演させて頂けることになったので、自分なりにHMFの歴史や、稲荷山公園に関する情報などを調べることから始めました。自分が制作するときはいつものことなのですが、絵の中にイベントの関係するものや、その地域に関するものなどを盛り込むということを心がけており、今回はすぐにメインビジュアルは出演叶わなかったお二方を描くということを決めました。そしてメインステージを背景にすることでその場にお二方が存在しているというビジュアルに仕上げようと考えました。今年のHMFのメインビジュアルからカラーを決めてライブペイントに臨みました。

2日間で描き上げていく時間配分などはどのようにしているんですか?ライブペインティングの醍醐味はどういったところですか?時間的な制約があるので難しそうって素人には思えるのですが。来場者の皆さん話しかけて来たと思いますが、描きながらの対応なども難しくないですか?

時間配分については、経験としか言いようがないです(笑)。完成ビジュアルから逆算して2日目に気になる状態で残しつつ1日目はこの辺までをこの時間までに出来ていると良いな。ってアバウトな目標を作っておく感じです。

時間的な制約とお客さんに話しかけらるというこの2点こそがライブペイントの醍醐味だと思っています。時間的な制約の中には、会場を楽しむっていう自分なりの信念があって、ペイントブースから離れずに絵を描き続けるのではなく、フラフラ会場内をお酒片手に歩き回って雰囲気を感じる時間が大切だと思っています。そして、また絵と向き合ったときにその得た会場の雰囲気を絵にアウトプットするという楽しみがありますね。

そんなことをしていると、友人や初めましてのお客さんなど色んな方に声を掛けていただけて、また楽しい時間を絵を描きながらつくる事ができます。そういう一連の流れがライブペイントの醍醐味だと思っています。

どんな音楽が好きですか?アートと音楽の関係性というかRUSOWにとって音楽はどんな存在ですか?好きなアーティストは?

自分はDUBやROOTS REGGAEが好きです。とはいえ、ジャンルレスで音を楽しむのが好きなので、ROCKもTECHNOもHOUSEもとにかく自分が良いと思える音楽が好きな音楽です。アートと音楽はつながっているものだと思っています。ミュージシャンが音楽を作り発表する際は、ジャケットのビジュアルデザインであったりアートワークが生まれ、そのアートワークによってその音楽を表現することができます。自分も制作する際は必ずと言っていいほど音楽を聞きながら作業していますし、気分が乗って楽しく描いたり、気持ちを落ち着かせて集中して描いたりと、制作状況によって音楽を使い分けています。

好きなアーティストは、Adrian Sherwood、Audio Active、Fat Freddy’s Dropなど。日本でいえばサカナクション、電気グルーヴ、宇多田ヒカル。最近では、GEZAN、踊ってばかりの国。地元でいえばIndus&Rocks、THE 天国畑 JAPONなど…多すぎて挙げられません(笑)

所沢や西埼玉周辺で、RUSOWさんから見て面白そうなアーティストがいたら教えてください。またご自身がプロデュースしているミュージック&アートフェスZIPANGについてもお願いします。

地元所沢出身で中学校からの同級生のSTONE63ですね。都内を中心に今も精力的にイベントでのライブペイントを行いつつ、全国各地や海外での作品展示などで活動している注目アーティストです。

ZIPANGは自分はアートプロデュースという形で関わらせて頂いているフェスティバルで、2015年から2019まで千葉県南房総で開催していました。コロナ明けの2022,2023と会場を栃木県那須にある「NASU UTOPIA – minosawa art village-」という廃校になった小学校をリノベーションした場所で「ZIPANG ART EDITION」という形で開催しました。
会場のUTOPIA内でも自分とSIGHTRIPの作品を展示していたり、一面ブラックライトペイントを施した部屋を制作したりと学校内全てがアート空間になった素敵な場所です。そんなアートを体験しつつ、本格SAUNAに入れたり、BBQやキャンプができたり、キッズエリアや図書館もあるので子供たちも楽しめるのでファミリー参加も多く、その中で厳選した国内アーティストの音楽を体験できる贅沢なフェスティバルです。

ZIPANG
http://upperkidz.club/

NASU UTOPIA -minosawa art village-
https://nasu-utopia.jp/

今後の活動予定や、目指していることなど。

9月に所沢で行われる空飛ぶ音楽祭2023でのライブペイント出演が決まっています。こちらはHMFでのライブペイントきっかけでお話をいただき、オフィシャルTシャツのデザイン制作もさせて頂きました。HMFからのつながりで地元所沢をはじめ素敵なご縁を頂くことができました。

これまで有難いことに絵を描くことで様々な経験をさせていただいています。HMFへの出演はもちろん、TV出演、ご依頼頂く案件、音楽イベントへの出演などとにかく普通に生きていては経験できない事だと思います。1回目のHMF開催時の自分はとにかく藻掻いてジタバタしていました(笑)。それでもやり続けるってことでこの道につながったこと、それは事実です。絵描きとして目指すことは「楽しくやり続ける」。これが今の自分の目標です。

RUSOWさんのこの完成した作品は、最終日に出口ゲート横に設置して、来場者の皆さんを見送っていただきました。また小坂忠さんのご家族に気に入っていただき、オフィスに寄贈されました。
RUSOWさん、素晴らしい作品をありがとうございました。

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